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フルート・奏法

フルートの低音域と中音域はどう吹き分ける?その1

 ←フルートを毎日吹くのは楽しいけど大変だ! →フルートの低音域と中音域はどう吹き分ける?その2
 木管楽器は大概、あるキーを押すと、音が1オクターブか1オクターブ半、上がるキーが付いています。ところがフルートには、そういうキーが付いていません。あえて言えば低音域のDから中音域のDだけは、Cisキーがオクターブキーだと言えなくはありませんが、それはDの音だけで、それ以外の音は唇のコントロールと息のスピードで音を変えます。

 どのように変えたらいいのかは、難しいのですが、これを科学的に分析した本があります。安藤由典氏の「楽器の音響学」(音楽の友社)です。この本に書かれた分析をもとに、解説を加えた吉倉弘真氏の「フルート,フルート!」の二著を参考文献にして、「フルートの低音域と中音域をどう吹き分けるか」を考察していきたいと思います。

 まず、図1をご覧ください。(見づらい場合は画面をクリックしていただくと拡大します。図そのものをパソコンに取り込む方法がわからなかったので、写真に撮ったものを取りこみました。画質が悪いのはご勘弁ください)
P1010619.jpg
 フルートの基本的な発音の仕組みは唇で作った息の流れ(空気流・エアリード)を直接フルートの歌口のエッジにぶつけて、空気の渦を作ることで音を発生させます。その時に重要なポイントは
 ①空気流の長さ:h  ②空気流の速さ:u  ③エッジとの偏心距離(エッジのどの部分にどの角度で息を当てるか)の三つです。

 この中で最も大事なのは、②の空気流の速さ(息のスピード)です。他の二つの要素を変化させないで、息のスピードだけを上げていくと、第1倍音からオクターブ上の第2倍音に音がジャンプします。さらに息のスピードを上げると5度上の第3倍音にジャンプします。このことは倍音練習をしていると実感できるでしょう。①と③は音色と倍音の出やすさ(同じ息のスピードの時に低音が出るか中音が出るか)に影響を与えます。詳しくは次回の記事で説明します。

 問題なのは、この吹き方だと息のスピードが上がるにつれて、ピッチまで上がっていくことです。そこで他の要素を変えて、ピッチを変化させないようにします。それが図3です。
P1010620.jpg
 歌口に対して、③の偏心距離を変えずにかぶせ気味にすると、ピッチが下がります。音量を増すために息のスピードを上げれば、ピッチも上がりますので、それに合わせてかぶせ気味にして、ピッチの変化を押さえるのです。③の偏心距離が変わってしまうと音色まで変わってしまいます。簡単に言うと、フルートの場合、クレッシェンドとディミ二ェンドの時に、音色やピッチが変化しないような練習が特に重要だという事です。

 さて、息のスピードを上げていけば、音量の増大とともに、上の倍音が出る訳ですが、その相関関係を示したのが図2です。音量の単位はデシベル、息のスピードは秒速で表しています。
P1010616.jpg

 興味深いのは、第1倍音のA音を吹いた時、秒速8m以上になると、音量の変化はほとんど見られないということです。そして同じ息の速さで第2倍音のGの音が、第1倍音の半分程の音量で鳴るということです。第2倍音のGの音も秒速16m以上になると、音量の増大はほとんど見られず、秒速20mほどで、第3倍音のFの音が第1倍音のAのほぼ最大音量と同じ音量で鳴ることです。もちろんこのFの音の息のスピードをもっと上げていくと、さらに音量が増大します。

 最もシンプルなフルート奏法では、息のスピードが遅いと低音域の音が出て、音量も小さい。息のスピードを上げていくと高い方の倍音が出て、音量も増大するということになります。他の楽器は低音がもっとも豊かに鳴るように出来ているのですが、フルートはそれが難しいということです。しかも息のスピードによってピッチまで変化します。リコーダーは、空気流の長さと偏心距離は変えられませんので、どうしても制約があります。フルートの場合はこれを変化させられますので、より表現力が増すわけです。

 ただ、その分フルートはどうしても息の速さが求められます。初心者の段階で低音域しか出せないのは、主に息のスピードが不足していることにあります。表を見ていただいてもおわかりのように、秒速7m以下では低音域しか出せません。まずは、中音域が出せるように息のスピードを上げないといけません。

 フルートの表現力を増すためには、低音から高音までの音域でピアノからフォルテまでの音量の変化を付けられるのが理想です。そのためには、どうすればいいかを次回述べたいと思います。

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~ Comment ~

勉強になります[e:278] 

この頃のたかさんの記事は、勉強になります。

ところで今月のテンプレート、カワイイです

Re: 勉強になります 

よっちゃんさん

 「勉強になる」と言ってくださって嬉しいです。今月のテンプレートもなかなかでしょう。3月いっぱい、これで行こうかなーと思っています。

理論は大事 

僕も「フルート、フルート!」の本を持ってます。
特にこの部分は何度も繰り返して読みました。
結局、感覚的にこーゆーことを身に付ける訳なんですよね。

こんな風に図解して数値で説明されると、
学校の勉強のようですけど、頭に入ります。
そして、頭の中で理論付けられると得心出来て、
体が動くようになるから不思議です。

音色や音量で悩んだ時は、ここに戻ることにしてます。
息の量より息のスピードが大事だと気付くのが大事なようですね。

それにしても、この本に載っている、
「フルート・ロボット」の音を聴いてみたいです。

また、お邪魔します。

Re: 理論は大事 

ship-papaさん

 ship-papaさんも、「フルート、フルート!」の本を持っていらっしゃるんですね。この本の著者はプロの演奏家ではありませんが、とても良くフルートの事を科学的に研究なさろうとしているのが、わかります。フルートの奏法を感覚的に掴むのも大事なんですが、科学的な裏付けがないと、間違った方向に行ってしまうことがあると思います。ですから、こういうのは大事ですよね。

 > フルート・ロボット」の音を聴いてみたいです。

 私もとても興味津々です。トランペットを吹くロボットもありますよね。そのうち人間の方より上手くなったりして…(笑)
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