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吹奏楽全般

楽器の「遠鳴り」

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 楽器の鳴り方について「遠鳴り」という言葉がよく使われます。フルートも「遠鳴り」するのが理想だと言われています。改めて「遠鳴り」の定義について考えてみると、なかなか複雑で難しいと思い知らされます。

 「遠鳴り」とは、遠くにいても音が聞こえることなんですが、ホールの中だったら、どの場所でも音は聞こえます。聞こえ方が問題なわけです。「遠鳴り」しているとされる音をホールの客席で聞くと、自分のいる席まで音が響いてきます。「遠鳴り」していない音はステージの上で鳴っているように感じるわけです。音の遠近感ということで言えば、客席の後ろのほうで聞いた時に「遠くでも近くで鳴っているような音」が「遠鳴り」で、「遠くで鳴っていると感じる音」は「そば鳴り」ということになります。

 問題は客席とステージの上では音の聞こえ方が違うことです。ステージの上では十分に鳴っているように感じても、客席に行くとさっぱり響いていないということがあります。逆にステージでは、全然聞こえないのに、客席では響き渡っていることもあります。これが難しいのです。自分の耳が「客席」にあるようになるには、経験が必要です。私もフルートを吹いている時にそういう経験がありました。フルートって「遠鳴り」している時は、自分では、そんなに大きい音を出しているように思えないことが多いのです。この違いは、指揮者が一番わかりやすいでしょう。リハーサルの時にステージと客席を往復して聞くことができるからです。ただ、ステージ上の指揮台の位置では、満足な音は聞こえて来ないのです。この位置で満足な音が聞こえるように音楽を作るとホール内には響きません。つまり「そば鳴り」の音楽を指揮者が作ってしまうことになります。

 吹く方の立場からすると、自分の音を客席で聞くことはできないわけですから、何か別の基準で判断する必要があります。フルート奏者と指揮者の両方の立場で合奏に参加した経験から言うと、指揮者の言葉は案外アテになりません(笑)。指揮者は「大きく」「小さく」という言葉をよく使いますが、これをそのまま音量のこととして解釈すると、とんでもないことになります。いや、指揮者は音量を「大きく」とか「小さく」とか思っているわけですが、それを息を強くして音を大きく出そうとか、息を弱くして小さくしようと考えると、うまくいかないのです。

 息を強くと考えると、不必要な力が入り過ぎて「遠鳴り」しなくなります。息を弱くと考えると、必要な力まで抜けてしまい、やはり「遠鳴り」しなくなるのです。この力のコントロールが大事です。必要な力は、「お腹の力」でしょう。「腹圧」は必要なのです。不必要な力は、口や喉の力です。ここに力が入ってしまうと「倍音」ではなく、「雑音」が増えて「遠鳴り」しなくなるばかりか、近くで聞くと「うるさい音」になるので、音量が増えたと勘違いしやすいのです。

 楽器自体でも「遠鳴り」しやすい楽器と「遠鳴り」しにくい楽器があります。例えが楽器でなくて申し訳ありませんが、ナベを落とすと「ガシャン」とすごい音がしますが、この音は「遠鳴り」しません(笑)。仏壇とかにある鐘は小さくても「遠鳴り」します。金属の質が違うからですが、力を加えた時にすぐ反応するけれども、力が加わらなくなると、すぐ反応しなくなるのは「遠鳴り」しません。逆に力を加えた時の反応は鈍いけれども、反応が持続するのは「遠鳴り」します。

 これは「木」でも一緒です。打楽器のクラベスは、とてもわかりやすいです。個体差で響きの違いがあるばかりか、楽器のどこをどう叩くかでも響き方が違います。木管楽器で言えば、さしずめ「クラナディラ」の質の違いでしょう。まさかクラリネットやピッコロをコンコン叩いて確かめるわけにはいきませんから、試奏して確認しなくてはなりません。試奏してこれを見分けるのは難しいです。信頼できるプロの方に選定してもらう他ありません。

 理想は「遠鳴りのする楽器」を「遠鳴りする吹き方」で吹く、ということになります。


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~ Comment ~

なかなか 

興味深いお話ですね。
やはり一人でも大勢でも、舞台のうえで演奏するとなると
この遠鳴り問題が重要ですよね。

なべとお鈴の話、わかりやすかったです。
ぶっちゃけ、倍音が豊富な方が遠鳴りするんでしょうか?
力んでも大きな音は出るけどそば鳴りだと、効率悪いですよね^^;
自分の音が遠鳴りしてるのかどうか、わかる方法があればいいなあとしみじみ思います。
「そば鳴り(遠鳴り)メーター」とか(笑)

たとえば、どの周波数の倍音がどの程度含まれているのが一番遠鳴りするか、とか、
ゴールウェイとそうでない人の音の違いをそういった面から解明するとか
どこかの理工系大学とかで研究テーマになりそうです。
(かなりマニアックですね^^;)

Re: なかなか 

シラスマさん

確かに「遠鳴り」について研究し始めるとマニアックなものになりますね。 楽器に使われる素材は程度の差はあっても遠鳴りする素材だと思います。そしてきちんと製作された楽器なら、遠鳴りするはずだと私は思います。 だから遠鳴りするかしないかは、ほとんど奏者の力にかかっているんじゃないでしょうか。

私は倍音が複雑で豊かな方が遠鳴りするのではないかと思っています。ただ一概に言えないくらい難しいと思います。最終的には、「腹圧」と「唇の脱力」だと考えます。それが出来ていれば「遠鳴り」すると信じて吹いています。私にとってアルトフルートなんかは典型的ですね。

リハーサルと本番 

同じステージでの演奏でも、リハーサルと本番では音の響き方が違うと思います。お客さんが入っていないホールは音がよく響きますが、お客さんが入ると音が吸われてしまいますから。

吹いている自分には、遠鳴りしているかどうかはよく分かりませんけれど、多分こういう音が遠鳴りしているんじゃないかな?と思うことはあります。そう、そんなに強く吹いていないのに響く音が出ることがある、これがきっとそうだろうと思うんですけど、残念ながらそういう音がいつも出るわけじゃないんですよね。

Re: リハーサルと本番 

inti-solさん

リハーサルと本番の違いはまさくそこですね。余談ですが、ある高校はイスを全部下ろしてその上に出来るだけ毛布を敷いて音を吸わせるようにしてリハーサルをやってました。なるべく本番に近づけようという意図です。

> そんなに強く吹いていないのに響く音が出ることがある、これがきっとそうだろうと思うんですけど、残念ながらそういう音がいつも出るわけじゃないんですよね。

それが「遠鳴り」をしている時だと思います。そうそう簡単に出せるわけではありません。「遠鳴り」する音は、かなり経験を積まないと出せないんじゃないかなと思います。

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